第三章 僕は子供ちゃうっ!!

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 思わず首を竦めた恵の耳元に唇を寄せると、佑は囁くように問いかけた。 「どっちがいい?」  キスの余韻のせいか、ぼーっとする頭を必死に巡らせ、何かについて問いかけてきた佑になんとか言葉を返す。 「……なにがぁ?」  ゆったりと舌足らずな声で聞き返してきた恵に微笑むと、佑は小声で言葉を続けた。 「ここと……ベッド」 「……あ」  佑の言葉に虚ろだった恵の瞳が大きく見開かれた。 経験がなくても佑が何について自分に聞いているのかぐらい分かる。 「どっち?」 再び耳元で囁かれ、恵は戸惑いながら口から言葉を紡いだ。 「……ベッ……ド」 「……分かった」 そう言葉を返すと、佑は恵の身体を抱き上げベッドルームへと向かって行った。
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