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ここは新撰組屯所の広間。
あまり広くない部屋を3つほどつなげた場所に、隊士たちを集めている。
といってもせいぜい50人程度だからそこまでぎゅうぎゅうづめというわけでもない。
そんな隊士たちがきちんと座っている前にどうどうと胡坐をかいているのが俺、土方歳三だ。
あ、ちなみにこの物語は俺目線か総司目線が多いんでよろしく。
「ふー・・・全員いるな。今日からうちで預かることになった、
「東雲杏(シノノメ アンズ)である!!!よろしく」
「・・・・」
「土方さん、顔怖いですよ。」
正面にいる総司にそんなことを突っ込まれる。
やかましいわほっとけ。
俺ははぁ、と盛大なため息を零すと隣でにこにこしているガキンチョ・・・ゴホンッ、東雲を睨む。
なぜ新撰組がガキのお守なんぞせにゃならんのだ。
まあそれには上の問題があるらしく。
信じられないことにこのガキは将軍様となにやら関係があるらしい。
山崎に調べさしてみたが、さすが将軍と関係のあるやつというか、商家の娘ということ意外、なにも分からなかったそうだ。
「と、いうことだ。まあそれなりに仲良くしてやってくれ。ああ、それと―――」
俺は3秒ほど間をあける。
これは癖というかまあそんなところなんだが、俺が大事なことをいうときは数秒間を空ける。
そのことを十二分に理解している隊士たちは俺の次の発言を固唾を呑んで待つ。
いつものありふれた光景だ。
「こいつは将軍様と関係があるらしいからな。へんに傷つけでもしたら磔刑だ。」
広間に小さく「ヒッ」という悲鳴がところどころからもれた。
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