最悪な気分で出会ったあの娘

2/5
前へ
/34ページ
次へ
よく晴れた日の午後、僕はいつも行く公園にゆっくりと向かう。 今日は朝早くに少し雨が降ったがすぐに晴れて、今は少しぬるいが気持ちの良い風が吹いている。 実は今日が悲しいことがあったんだ。 今朝大好きな彼女と、彼女の想い人とのデート現場を偶然見てしまった。 2人は駅前で待ち合わせていたようだ。駅前で所在無げに1人で立っている彼女を偶然見つけ、僕は一気に幸せな気分になった。彼女が他の男の姿を捉えて、可愛らしい笑顔を見せるまでは。 二人は二言三言言葉を交わし、一緒に歩き出した。その時男は、彼女の腰に自然と手をまわした。 なんて気障な野郎だ。 明らかに女慣れしている。 そんな男はやめておけ。 言いたいけど言えない。 僕の言葉は、彼女には届かない。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加