最悪な気分で出会ったあの娘

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その子には悪いけど面倒に思い、僕は回れ右をする。 今日の僕は、ゆっくりと心を癒したいんだ。この場所は諦めて、他を探そう。 しかし気配に気がついたのか、彼女ばっと顔を上げ、僕を呼び止めた。 「待ってよ」 聞こえないフリをしようかと一瞬思ったが、気が小さい僕はビクビクしながら振り返る。 彼女は自分が呼び止めたくせに、その大きな目をさらに見開き、言葉を続ける。 「せっかくだから、あたしの話を聞いてよ」 何が折角なのか僕には分からないが、若い女の子ってのは無敵だ。 僕は彼女の話を聞くことにした。 そんな気分じゃないのに。
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