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「あたしね、失恋したの。
もう、大失恋。
物心ついた時から、ずうっと好きだった人から振られちゃったの。
あ、あたし、マミって言うの。」
涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、マミは言葉を紡ぐ。
これだけ泣いても可愛いって事は本物の美少女だろう。
こんなに可愛くても、振られることがあるんだ。
僕は冷静にそんなことを考える。
「相手はね、3つ年上で近所に住んでいるお兄ちゃんなの。
親同士が仲良くて、小さい時はずっと一緒だった。いつもお兄ちゃんの後をついて回った。
大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるって言ったら、お兄ちゃんはうんって言ってくれてたんだよ。」
幼い頃の約束を持ち出されても困るだけだろうが、そんな事は彼女も承知だと思い、僕は黙って聞くことにした。
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