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「さぁて?まぁ、ボルボラは信用出来ない人物。いずれは切り捨てるべきコマでした。後戻りできない状況も必要でしたし…ジルさん、あなた抜きでは力不足のようでしたしね。」
「くっ!」
ジルは、フリントと呼ばれた男に対して剣を抜く。
「私にお腹立ちのようですな。しかし、あなたを利用していたのは私だけじゃありませんよ?」
フリントが、不敵に笑うとレムオンを見る。
「あなたのお隣にいる男…、彼こそ、この地の領主エリエナイ公レムオン・リューガです。」
「…ほんとう…なのか?!」
ジルは、フリントが頷くのを確認し、ショックで震える手で剣を納めると、レムオンを見た。
「彼は、この地で反乱が起こりその責任問題で失脚するのを恐れ、あなたを利用しているのですよ?」
「………。」
ジルは、後退(アトズサ)り彼の横からも離れた。
『レムオンが…。』
すがるような視線の先には、冷たく無表情な貌(カオ)があるだけだ。
「レムオン様、あなたの秘密についての密書、すでにボルボラよりうけとっております。あなたは、密書を取り戻さねば破滅。反乱に構っているヒマはない。」
フリントが、再びジルを見る。
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