†黄金色に輝く畑†

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「どうした?チャカとかいう弟を助けにいくぞ。」 「でもっ!レムオン、密書がないと破滅だって…!今なら間に合う!」 「密書は後回しだ。確かに密書は俺にとって致命的なものだが…お前ごときを利用する気などないと証明することが先決だ。俺の誇りに関わる。…それだけだ、行くぞ。」 「あのっ…ありがとう。」 何だろう、またドキドキする…。 「チャカ!!」 ジルが駆け付けたときには、すでにチャカは捕らえられた後だった。 「ボルボラが死んだんじゃ仕方ない、もうお前ら姉弟を領主様に差し出すしかないよな?町のためだ、悪く思うなよ。」 長老の孫が、ニヤリと笑った。 「そんなのダメだ!姉ちゃん、逃げて!!」 「黙ってろ!気に入らないガキだなっ!」 ドカッ! 蹴りあげられたチャカが膝をつく。 「お前もだ!俺は何かにつけてお前と比べられて、姑息だ、意気地無しだと言われた。だが、それも今日で終わりさ!こっちは、ベテランの冒険者達を雇ってるんだ、反逆者として惨めに死ねっ!」 立ちはだかった二人の冒険者が、レムオンとジルに襲いかかる。 「気にいらんな。ジル、やるぞ。」 レムオンとジルの二人も剣を抜いた。
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