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ザンッ!!
「痛っ!」
「下がれ、ジル。」
彼女が後方へ跳ぶ。空いたスペースに飛び込んだレムオンは、あっさりと冒険者達を切り捨てた。
「ひっ?!に、逃げろ!」
長老の孫は、逃げ去っていく。
「姉ちゃん!」
「チャカ!」
殴られ、頬を張らせた弟が駆け寄ってくる。
「俺…、俺…。」
「おい、新手が来る前に、とりあえずここを離れるぞ。」
「ああ。…ほら、チャカ行くぞ。」
弟の手をとると、三人はノーブルを後にした。
暗闇が空をおおうころ、三人は、ロストールへ向かう街道を王都まで後少し、という所まで来ていた。休憩中、チャカが悔しそうに地面を叩く。
「あいつら…、俺を…!俺たちは、一体何のために戦ってきたんだ!」
「チャカ…。」
ふと、レムオンが歩きだすのが見えた。
「待って!」
ジルが、彼の元に駆け寄った。
「…俺は王都へ行く。この地の反乱のことと密書の件で、エリスに会わねばならん。ここでさらばだ。」
「待って、私も着いていく!まだ、お礼もしてない。」
「酔狂な女だ、ついてくるというのか?」
「私でも、レムオンの役にたてないか?」
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