†黄金色に輝く畑†

16/22
前へ
/63ページ
次へ
王都に着き、真っ先に連れて行かれた先は王城だった。高台に築かれた、荘厳で美しい城。 「今からロストール王妃エリスに会う。ファーロスの雌狐の異名をとるほどの謀略家だ。とにかく、気を付けろ。」 「王妃は、そんなにすごいのか?」 「奴は、七竜家の筆頭ファーロス家の出だ。ファーロス家は、権勢のある家柄でな。今の王セルモノーも、エリスを妻にして王位に就いたほどだ。しかし、実家の力など、謀略に比べれば大したことはない。あの女が、謀略で二つの国を潰したお陰で、今や大陸の“分断の山脈”以南は、すべてロストール勢力化だからな。」 レムオンは、忌々しそうに更に言葉を続けた。 「国内でも、貴族の力は削がれ、王権強化と中央集権化が進められている。そして、実の娘ティアナをファーロス家当主の息子と結婚させる気だ。」 「ファーロス家の力が強くなるんだな?」 「そうだ。俺は、貴族を率いてエリスに対抗しているため、奴は俺を消そうとやっきだ。ノーブルの反乱もその一環だ。この先、どんな罠が控えているかもわからん…。では、行くぞ。決して余計な動きはするなよ。」 「分かった。」
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加