†黄金色に輝く畑†

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謁見の間、鮮やかな紅いドレスの女性が、玉座の前にたっている。あの人が、エリスだろうか。 「お待ちしていた、エリエナイ公。そなたの領地で、物騒な事件があったと聞くが?」 「さすがに、お耳が早い。ノーブル代官ボルボラが死にました。…事故死です。」 「フフ、エリエナイ公、私は死因まで聞いてはおらぬが?」 「一応、ご報告したまで。弟エストが処理をしていますので、近日中には詳細をご報告できるかと。」 「では、それを待とう。…しかし、残念なことよ。ボルボラには、聞きたいことがあったのだが…。」 「領主の私に、答えられることでしたら…。」 「先日、ボルボラがこれを送りつけてきてな。今は亡き、先代エリエナイ公…そなたの父が、女に宛てた手紙だ。」 「女にですと?!」 身なりのいい年輩の男性が、王妃に駆け寄り手紙をのぞきこむ。 「これは、…なんたる事!貴殿の父上は、妻以外の女性に子供を産ませていたようだ!…エストの誕生には、我々もかけつけたぞ!ならば、貴殿がその女性の…。」 「故人の恋文をのぞき読むとは、いい趣味をお持ちだノヴィン殿。」
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