†黄金色に輝く畑†

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「これは、ファーロス家にあるまじき無作法だったな。しかし、これが本当なら、エリエナイ公いやレムオン!貴殿が不当にリューガ家当主の座に就いたことになる。…これで、終ったなレムオン。」 エリスが、一歩歩み出た。 「ボルボラは死に、確かめることもできぬ。そういえば、奴は貴殿の領地で横暴を働き悩ませていたとか?その後の事故死とは…そなたは、運がいいな。」 「おたわむれを…ボルボラは優秀な男でしたよ。その為、後任を選ぶのに頭を悩ませました。ですが…結論が出たので、本日は、そのお願いに伺ったのです。」 レムオンが、玉座の近くへ歩み寄る。 「ノーブル支配を、我が妹ジルに任せたく存じます。」 『…わ・私?!』 ジルは、突然のレムオンの言葉に、内心倒れこみそうになった。 「妹?」 「ここに連れて参りました。」 「エストの他に兄弟がいたとは、初耳だが?」 「わけあって、公にはしておりませんでしたが…。その訳は、申し上げなくともお分かりでしょう?」 「この少女こそ、ボルボラの手紙の子だと?」 「ボルボラ亡き後のノーブル統制のため、なにとぞ我が妹ジルにノーブル伯の称号を。」
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