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「とりあえず、礼を言う。おかげで難局を切り抜けられた。」
館に着いたレムオンが、ジルに向かって言った。
「あ、うん。でも、どうするんだ?私みたいなのが、レムオンの妹って…無理があるだろ?似てないし。」
「問題ない。金髪だ、という共通点がある。とにかく、お前はロストールで1・2を争う大貴族リューガ家の一員になってしまったのだ。本来なら処刑されるところだったのだからな、そのくらい耐えろ。」
「分かってるよ。レムオンには、感謝してる。」
「フッ、そう思っているなら、リューガ家に相応しい実力を身につけるのだ」
コンコン!
「入れ。」
「失礼します。」
部屋に、ひとりの青年が入ってきた。歳は、レムオンと余り変わらないように見える。穏やかな物腰、肩ほどに伸びた金髪を後ろで1つに束ねている。
「紹介する。この館の執事セバスチャンだ。彼の言うことは聞いておいた方がいい、この館一番の実力者だ。フフ。」
「お話は聞いています。ジル様、執事のセバスチャンです。今後とも、よろしくお願いします。」
「うん、よろしく。」
「ジル、これから俺は、お前の義兄(アニ)だ。ともかく、また帰ってこい。我が妹ジルよ。」
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