51人が本棚に入れています
本棚に追加
「強くなりたい。大切な人をモノを…守りたい。」
そう思って始めた剣術も、我流ながら少しは使えるようになってきていた。ジルたちは、ボルボラから村を解放するために反乱計画をたてていた。今日は、ノーブルの森で、その話し合いをする日だった。
この日も、天気だけはいい。ジルは、日課にして通っている父の畑へ急いだ。
「あんたがジルか?」
「…そうだけど?」
彼女の前に現れた人相の悪い男が、名を呼んだ。
「ボルボラ様の命令だ、死んでもらうぜ!」
「!!」
男が短剣を抜く。ジルも、反射的に腰の剣を抜いた。
カキィン!
数度斬り合い、男の手から短剣がはじきとぶ。
「待った!俺は、命令されただけなんだ。俺も、これからは、アンタの仲間になるぜ?一緒に悪代官をやっつけよう、な?」
ザクッ!
「ぐぁ!」
「?!」
ジルが振り返ると、短剣を握ったままの山賊風の男が倒れている。
「ちくしょう!」
「おやおや、仲間を見捨てて逃げるなんて、酷い人だ。そうは思いませんか?レジスタンスを率いるお若い方。」
「…なんのこと?」
ジルは、商人風の男を睨む。優しそうで穏やかな表情をしてるのに、どこか油断ならない…。
最初のコメントを投稿しよう!