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「私はオルファウス。そして、そっちにいる不細工な猫がネモ。」
「俺様は、“名前を知るもの"魔人のネモ様だ。」
「ネコが喋った?!」
驚いたチャカが声をあげる。それをみたオルファウスは、楽しそうに微笑んだ。
「ネコの姿に封じてありますが、これでも昔は立派な老人星の精霊でね、地上に興味を持ちすぎて堕ちて魔人になったのです。口は悪いですが、無害ですよ。」
差し出されたハーブティーは、爽やかな香りを放つ。オルファウスと名乗る彼には、不思議な安心感がある。促されるままに、ジルとチャカの二人は、これ迄のいきさつを話した。
「そうですか、大変でしたね。それにしても、“竜王”が目覚め“無限のソウル”を持つものが現れるとは。フフ、運命の女神も気まぐれだ。ああ、そうだ。一つ、頼まれてはくれませんか?」
「なんでしょう?」
オルファウスは、ハーブティーを一口飲むと、離れた場所で退屈そうに尻尾を振っているネモを見て言った。
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