†義兄と義妹(アニとイモウト)†

17/32
51人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「私はオルファウス。そして、そっちにいる不細工な猫がネモ。」 「俺様は、“名前を知るもの"魔人のネモ様だ。」 「ネコが喋った?!」 驚いたチャカが声をあげる。それをみたオルファウスは、楽しそうに微笑んだ。 「ネコの姿に封じてありますが、これでも昔は立派な老人星の精霊でね、地上に興味を持ちすぎて堕ちて魔人になったのです。口は悪いですが、無害ですよ。」 差し出されたハーブティーは、爽やかな香りを放つ。オルファウスと名乗る彼には、不思議な安心感がある。促されるままに、ジルとチャカの二人は、これ迄のいきさつを話した。 「そうですか、大変でしたね。それにしても、“竜王”が目覚め“無限のソウル”を持つものが現れるとは。フフ、運命の女神も気まぐれだ。ああ、そうだ。一つ、頼まれてはくれませんか?」 「なんでしょう?」 オルファウスは、ハーブティーを一口飲むと、離れた場所で退屈そうに尻尾を振っているネモを見て言った。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!