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「そう構えなくていい。私は、あなた方の成功を願っている者ですよ。」
「…なんのことかわからないけど、とりあえず、助けてくれてありがとうございました。さよなら。」
「姉ちゃん、遅いぜ!父さんの遺した畑、もうすぐ収穫だな。」
「うん。」
「そうだ、傷薬用意したんだ。森は、一応モンスターも出るしな。」
「ありがと。」
『誰か、助けてくれー!!』
「?!姉ちゃん!」
「うん、行こう!」
二人は、悲鳴のあがった方に駆け出した。ジルは、思う。今日は、なんて慌ただしいのだろう!
駆けつけると、収穫間近の畑を荒らすボルボラと、その手先が見える。
「ボルボラ!」
「ゲヘ、まぁたジルとその可愛らしくない弟か!今日こそ、あの世に送ってやるぜ。」
「そう言って、いつになるんだ?」
「今日だって言ったんだ、頭の悪いガキめ!残念だが、今日でおまえらともお別れだ!」
ズリズリ…。
嫌な音と共に、巨大なナメクジのような…無数の牙を生やした赤黒いモンスターが、こちらに放たれた!
ボルボラは、モンスターを放してすぐ、自分が食べられないよう去っていく。
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