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「ああ、それなら私も…。」
「分かってるわよ、普通のゴブリンは喋らないわ。禁断の聖杯というのを使って人語を話すようになったゴブリンなんだけど。」
「知ってるけど。」
「知らないわよね。行っていいわよ。…──って、知ってるの?!」
「私も探してるんだ。今、酒場で逃げられて…こっちには、来なかったんだ。」
「ええ。ありがと、さっそく私も追いかけるわ!そうだ、私はアイリーン。アイリーン=エルメス。貴方は?」
「私は、ジル。」
「そう、じゃあまたどこかで逢いましょ!」
「チャカ!」
「姉ちゃん、ゴブリン達は、街から逃げたみたいだぜ。ロストールへ続く街道の方に走って行ったって。」
「じゃあ、追いかけよう。」
カチャカチャと腰に下げた剣を鳴らしながら、木々に囲まれた街道を急ぐ。今なら、追い付けるハズだ。
ジルの予測どうり、前方にさっきのゴブリン三人組の姿が見えてきた。今度こそ、捕まえないと。
「ゴブゴブ団、禁断の聖杯を返しなさい!」
「む!しつこいゴブ!禁断の聖杯は、渡せないゴブ。ゴブゴブ団、幸せに向かって突撃ゴブ!」
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