†義兄と義妹(アニとイモウト)†

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「晩餐会に呼ばれることも多いからな。…デザートは、その次のスプーンを使うのだ。」 「分かった。」 満面の笑顔で幸せそうに食事をするジルに、レムオンが言う。 「昼間の冴えない顔が、嘘のようだな。」 「これだけ美味しければ、な。フフ、兄さん独りで寂しく食事してるなら、私が通ってあげてもいいな。」 「寂しいなどと、誰が言った?」 レムオンに睨まれても、ジルは楽しそうに笑っているた。 夜もふけ、空に月が輝く頃。すっかり元の格好に戻ったジルは、チャカの居る宿屋に戻るためリューガ邸を後にしようとしていた。 「今日は、ありがとう。また、来ていいか?」 「礼を言われるようなことは、何もしていない。もう、ここは“お前の家”なのだ。いつでも帰ってこい。」 「…じゃあ、行ってきます。」
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