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「許さない!絶対に許さないぞ!」
そう叫んでいたのは、紅い髪のグラマラスな女ダークエルフ。憎しみに満ちた瞳、ギラギラとした殺気に満ちた彼女は、その手には、しっかりと弓が握られている。
「彼女の相手は、私がしよう。」
「あれは、俺達の獲物だ!」
「待て!ネメアさんだ。」
「え?!あの英雄の…。」
先に彼女に追い付いていた二人の冒険者が、後ろに退(ヒ)く。
「お前もそいつらの仲間か?!妹を殺した冒険者のっ…!」
「そうか、妹を殺され闇に染まったか。」
「私の妹は、冒険者になぶり殺された…私は、冒険者を許さない!!」
襲い掛かる彼女に対して、武器を構える。素早さを生かしジルが斬りつけるが、そう効いた様に思えない。ネメアが、槍を振るう。空を切る鋭い切っ先、重さのある攻撃にさすがの彼女も膝をついた。
「やったぞ!」
「…彼女の事は、私に任せてくれ。」
「え?!トドメを刺さないんで?」
「おい、今の戦い見ただろ?俺達だったら、殺されてた。ネメアさんに助けられたんだ、任せよう。」
「あ、ああ。」
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