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「ノーブル伯ですね。」
「女王エリス様から、火急の呼び出しです。至急ロストールに戻られますようお願いします。」
双子、だろうか?同じ顔をした使者がジルの元に現れたのは、数日前の事だ。短い金髪と同じように整った顔立ちをした彼女達は、自分と変わらない年齢のようだが、以前ノーブルで出会った男と同じような女王エリスの密偵なのだろうか?ギルドの仕事を済ませたころ、ディンガル帝国に大きな動きがあり、ネメアが叔父のエリュマルク帝をを討ち皇帝となり世界統一の為宣戦布告した事を知った。
ロストールも、戦禍に巻き込まれる。そうなれば、私も…──。
予想は当たり、ジルはロストールへの道を急いでいた。あのネメアが、勇者と呼ばれ冒険者の憧れで…──リベルダムで会った時も、その後城塞都市跡で命を救われた時も、自ら厄(ワザワイ)を起こすような人物には見えなかったのに。
そう、城塞都市跡での出来事…。ジルは、ネメアの横顔を思い出す。
ギルドで、ロストールの西にある城塞都市跡で起こる怪事件を調査して欲しいと頼まれ、ジルと仲間はその場に向かった。
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