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「姉ちゃん!」
「ああ、これだろうな。」
目の前に、黒い霧のようなものが渦を巻いている。魔法的な力場だろう。見た感じ、何処かに続く入り口にも見える。
「行ってみよう。」
ジル達は、中に飛び込んだ。
「妙な場所に出たもんだな。」
ドワーフのデルカドが辺りを見回す。暗い場所で、最初に目が慣れたのは、彼だった。
「なんか、陰気な場所だよなぁ。なんか、嫌な予感がするぜ。」
「ちょっと、アンタ!高貴なエルフである私をこんなジメジメ陰気臭い場所に連れ込んで、何しろっての?!土臭いドワーフじゃあるまいしっ!」
「フェティ、文句なら後で聞く。敵が来た…!」
ジルが、剣を抜く。
闇の中から、揺らめきながら見たことのない人型モンスターが現れる。
「姉ちゃん、こいつら剣が効かない!」
「一体、なんなの?!ジル、アンタがこんなトコに飛び込んだからよ?!」
今までのモンスターとは、比べられない程の強さ。デルカドの斧は、実体の無い彼らの身体をすり抜けた。
「くっ!」
ジルは、魔力を収束すると炎の塊を生み出しぶつける。
ドオン!!
音と共に敵に襲いかかる炎。しかし…。
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