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「よく来た、ノーブル伯。状況は、分かっておるな?そなたには、私の甥の副官として戦地に向かって欲しい。そなたなら、あやつと気も合うハズだ。」
「エリス様の甥…?」
「そなたと同じく冒険者をしている。ゼネテス・ファーロス、そなたも知っていると思うが?」
「ゼネテス…!」
バタン!!
「失礼する!」
音をたてて開かれた扉、その先に見慣れた兄の顔があった。
「兄さん。」
「我が陣営に、妹の名が無かったもので。聞けば、こちらに呼び出されたとの事。」
「エリエナイ候は、妹想いだな。ノーブル伯には、ゼネテスの副官になってもらう。」
「ゼネテスだと?」
「ノーブル伯ならば、しっかりとやってくれよう。それとも、そなたの妹は、兄が居なければ何もできぬのか?」
放たれた言葉に、レムオンの秀麗な顔が僅かに歪む。
「兄さん、私なら平気です。行かせて下さい。」
「…功のひとつでも、たててこい。」
ジルは、頷くと女王エリスに向き直り、一礼すると部屋を出た。
「エリエナイ候、良い目をした少女だなノーブル伯は。そなたには、もったいないくらいだ。」
「それは、一体どうゆう意味か?もう用も無いので、失礼。」
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