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扉が閉まる。エリスは、隣に立つ腹心の部下に言う。
「誰かと仲良くやれるような男ではない、と思っていたが。屋敷を追い出されていないうえ、あのレムオン坊やが心配してここに駆け付けたくらいだ。この上なく、上手くやっているようだな。」
「兄さん。」
「……。」
「?…あ、心配しなくても大活躍して帰ってくるから。リューガ家の汚点になるようなヘマはしません。」
「…お前、バカか?」
「え?」
「最前線に出るのだ、女のお前が。」
「兄さん。私は女ですが、力で男に負けるとは思いません。」
「…殺し合いにいくのだぞ?死を怖れないとでもいうつもりか?」
「…──護るためなら。」
決意に満ちた瞳が、そこにはあった。
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