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微笑む二人の顔を見ると、ボルボラを許せない気持ちが強く沸き起こる。
村の皆にどう思われようと、私は皆を苦しめているボルボラを倒したい。そう決意して、ジルは家を後にした。
「…―ってわけで、ボルボラを倒すなら今だ!今ならボルボラ自慢の戦闘用モンスターもいない、立ち上がろう!」
チャカが、声をあげた。
「そうか、今なら怯えていた他の皆も立ち上がるはず!」
「立ち上がろう、ジル!」
「…反乱など、止めるのだ。」
「?!」
それまで、静かに話を聞いていたレムオンが口を開く。
「ロストールは、身分に厳しい国だからな。そんなことをすれば、失敗は無論の事、成功しても軍が動き鎮圧され皆殺しだ。…ボルボラのことは、いずれカタがつく。町のことを考えるなら、反乱などやめておくことだな。」
レムオンは、ジルを見た。決断を促している。
「姉ちゃん!」
「……反乱は、出来ない。」
ジルの出した答えだった。彼女は、辛そうに下を向く。確かに、レムオンの言うとうりだ。反乱を起こしてしまえば、自分達だけの問題ではなくなる。下手をすれば…皆殺しだ。
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