Existence of miracle

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今日はクリスマス あれから、半年が過ぎた。早いものだ。今日は、もうすぐ雪が降るらしい。雪が一面に広がればホワイトクリスマスが送れるようだ。今日は、学校でクリスマスパーティーを行うらしいが行く気にはなれなかった。クリスマスは大切な人と過ごしたいからな。 「なあ、翠。キミは覚えているかな。付き合い始めてから少ししたころ、クリスマスの話をしたな。あの時、キミはクリスマスを一緒に過ごしたいといったね。雪がいっぱい降っている中、一緒に服を買いに行ったり、映画を見たりしながら過ごしたいと言ったね。俺が、そんなのいつでもできるじゃん、といったら、クリスマスは普通の日と違うの、といったね。でもその約束は決して叶うことのない約束になってしまったな」 俺は彼女の事を思い出しながら、ある場所に向かった。そこは丘の上にあるお墓だった。彼女が眠っているお墓。彼女が死んだとき以来、一度も来ていない場所だった。 彼女のお墓はすぐに見つかった。何の変哲もないただの墓だった。俺は、彼女の墓に花を飾ると、近くの教会へ行った。ただ、足が疲れたので少し休みたかったのだ。 教会の中には誰もいなかった。珍しいことだった。今日はミサなのに誰もいないなんて。しかし、いないなら好都合だった。俺は、近くの椅子に座った。ただ、ぼぅーとしたかっただけなのかもしれない。そして、いつの間にか俺は眠ってしまっていた。
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