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笑みを絶やさず、肩にある手を強い力で掴む。
掴まれた男は驚いたように目を開いたけど、すぐに痛みに顔を歪めた。
「このガキ!」
目の前にいたやつが鉄パイプで私を殴ろうとしたが私はよけた。
そして、体をクルッと回して男を投げ飛ばした。
男は多分高校生くらい。
はたから見れば異様な光景だろう。
男は気絶していた。
鉄パイプを拾ってそれを肩にのせながら他の4人の男を見る。
4人の男たちは呆けた顔をしていたがすぐに正気に戻った。
「お嬢ちゃんだからと言って手加減はしないぜ?」
私は男たちを挑発するように手でちょいちょいと呼んだ。
単純だから男たちは挑発にのって、鉄パイプを振り上げる。
私は片手で鉄パイプを持ち受け止める。
懐が空いたのを狙って、確実に男たちの腹を殴る。
「呆気な。」
地に伏せている男たちを見ながら私は小さく呟いた。
「助かった。ありがとう。」
後ろからそんな声が聞こえてきたから存在を気にしていなかった男を見る。
きっと冷めきった目で。
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