第1章 出会い

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「助けたつもりはない。」 カランカランと音をたてながら鉄パイプを地に置く。 まだ幼い顔つきをしているから同い年くらいだと思う。 「おにーさんも早く帰れば?ケーサツが来るよ?バイバーイ。」 それだけ言って私はまた宛もなくフラフラ散歩に戻った。 施設に戻るわけじゃない。 あんなとこに居たくないから。 木の上に登り、私は月を見ていた。 後2・3日もすれば新月になりそうな月を…。 「月が好きかの?」 いきなり下から声をかけられ、私はビクッと肩を震わす。 「月は新月が好き。」
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