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「助けたつもりはない。」
カランカランと音をたてながら鉄パイプを地に置く。
まだ幼い顔つきをしているから同い年くらいだと思う。
「おにーさんも早く帰れば?ケーサツが来るよ?バイバーイ。」
それだけ言って私はまた宛もなくフラフラ散歩に戻った。
施設に戻るわけじゃない。
あんなとこに居たくないから。
木の上に登り、私は月を見ていた。
後2・3日もすれば新月になりそうな月を…。
「月が好きかの?」
いきなり下から声をかけられ、私はビクッと肩を震わす。
「月は新月が好き。」
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