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「ーみ…」
声が聞こえる。
「ん…」
「ーみ…か!?…」
「んあ…?」
燕はパチッと目を開ける。
「君っ!!大丈夫か!?血まみれで…」
目の前にはヘルメットをかぶった救急隊員の人がいた。
「あ…ああ…助けか」
よっこらしょと呑気に起き上がる。
「大丈夫か!?」
「だいじょびだいじょび」
無表情でピースする。
「…?その声は…電話の…」
「ふへ?あんたが出たの?」
きょとんと燕は隊員を見る。
「あー、良かった良かった。早くきてくれたんだな。もー暇で暇で寝ちゃったよ。死体の中から出るのはキツいって」
燕は安心したように、安堵したように言う。
「みーんなぐっちょぐちょのべっちゃべちゃ。うえーまだ服乾いてないよー。早く着替えてー」
燕は気持ち悪そうに服をつまむ。
「…犯人?」
「どアホ。違ぇよバカたれ」
スパッと突っ込む。
「…一人だけなのか?お前だけ?」
「…急に敬語止めたなてめぇ。ああ、俺一人。脱出せーこー。皆々様のおかげですー」
わざとらしくパンパンと手をたたいて拝む。
「…でも、うらやましー」
ぽつりと燕は呟いた。
「…は?」
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