怠惰な日々

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「はい、この問題が解ける人~?」 「はい!」「はい!」「はい!」…… 「じゃあ…金田君!」 「えっと~…14?」 「う~ん…3×4だよ?…正解は、12でした。」 …キーンコーンカーンコーン 「はい!じゃあ、今日の授業は終わり。みんな帰る用意をして。」 夏は嫌いだ。暑い。教師なんて仕事、ましてや低学年の担任をしているとガキが鬱陶しくて仕方がない。 「結城先生、帰りの会始めていいですか?」 「あ、いいよ。」 「…これから、帰りの会を始めます。」 俺が小学校教員になったのも、遥か昔に小学校の先生に憧れていたからという、下らない理由でここまできてしまった。辞められるものならいつだって辞めたい。 「先生からのお話です。」 「ん、特にないが、最近はみんな自転車に乗ってるからな。中高生の自転車に気をつけて帰れよ。…よし、終わり!」 「起立!きょうつけ!さようなら!」 「よし、早めに帰れよ~!!」 今週は短縮日課で、掃除がないため俺も出来るだけ早めに家に帰る。 「お疲れ様です。」一言言って職員室を出る。 「ただいまぁ。」 家には誰も居ないが習慣として言うようにしている。テレビをつけて、ろくでもないバラエティ番組を見る。そして、スマホを確認する。
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