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「メールか…。」
一件のメール。高校の時からの親友、石崎 快斗からだ…
件名:元気か?
本文:どうだ、小学校教員は?2年目で色々あると思うけど、頑張れよ!俺は充実してるよ。今度、都合のいい日に会えるか?久しぶりに食事でもどうだ?
なるほど、あいつはそれなりには調子いいようだな。
件名:元気だよ
本文:まぁ、それなりやってるよ。お前も無理しすぎるなよ。自営業の辛さはわからんが、頑張れよ!
「返信っ!っと。」
「はぁ~…!こんなにも苦労している日本人はいるのか?!」などと愚痴を吐き、そのあとは、適当に食事を作り、風呂に入って寝た。まさか、翌日から更なる不幸と苦労にあうとも知らずに…。
「よし、今日も早めに帰れよ!」
…長かった。今日は6月なので蒸し暑いという俺が嫌う天候だった。児童を早めに帰らせ。自分も早くに帰った。
「ん?」
マンションのポストを見ると、なにやら封筒らしきものが入っていた。
「ただいまぁ。」と今日も言って速攻で封筒を開ける。何故なら差出人の名前が「桃山高等学校」になっていたからだ。
「なになに?」
読むとそれは同窓会の招待状だった。
To 結城 零
この度は高校の同窓会が開かれることをお知らせ致します。ご出産の場合はこの封筒をご持参の上、6月8日に下部の会場までお越しください。
○○ホテル 2F 田園の間
これだけの連絡に随分たいそうな封筒を使っているな。そう思いながら、スマホを取りだし、快斗にメールする。
件名:どうする?
本文:今日届いたしょ?高校の同窓会の招待状。快斗はどう する?行くか?俺は快斗に合わせるから。
というメールを送り、布団で招待状を見ていた。そして、高2の夏を思い出す。
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