プロローグ

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2196年3月14日、少年は産まれた。 産まれてくるときは歓迎され、家族にも愛され、幸せだった。 2年後に妹も産まれた。新たな家族の誕生を幼い兄も祝った。 父と母の仲も大変良かったが、父は少年には厳しかった。妹には優しかったが。 しかし、幸せな家族を不幸が襲った。父が病気で亡くなった。 決して優しい父ではなかった。だが、父の愛は家族に伝わっていた。 父は亡くなる直前、母の耳もとで囁いた。「子ども達を頼んだぞ」と。そして父は真っ赤な涙を流して亡くなった。決して穏やかな最後ではなかった。 それからは母が女手1つで兄妹を育てた。それはそれは大変なことだっただろう。家事と仕事の両立をやるのだから。 10年ほどしたころに、母は再婚した。相手は同い年の会社員。会社員といってもパソコンで注文を本社に送るだけの簡単なものだ。 しかし、母の再婚相手と子ども達の仲は良くなかった。
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