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魔物は女性に止めを刺そうと腕を降り下ろそうとし、女性は死を予感したのかその場で目を閉じた。
俺は魔物と女性の間に入り込んで魔物の攻撃を受け止めた。
すると女性が
「なっ!?あの一撃を受け止めた!?」
と驚いていた。
俺は女性を抱き抱え魔物から離れ、女性に
「あんた、なぜ魔物に襲われていたんだ?」
と聞くと、女性が
「わ、私達が林の中で採集をしていたら、急にあの魔物に襲われて‥‥」
「私達?仲間がいるのか?」
「私の他に二人いたんだけど、あの魔物に‥‥‥
私だけがなんとかここまで‥‥」
と言い、唇を噛みしめ下を向いた。
俺は女性の頬を軽く叩き
「お前は死にたいのか?
魔物がまだいるのに魔物から目を反らして。」
と言うと
「私にあの魔物を倒す事は‥‥」
「俺は死にたいのか?と聞いたんだ。
倒せるかどうかなんて聞いてない。」
「仲間を失って、私はどうすればいいの?」
「知らん!自分の人生を人に委ねるな!自分で決めろ。
それにお前がここで死のうが生きようが俺には関係ないし興味もない。」
「なっ!?」
「そうだろ?俺にとってお前は他人だ。
それに、必死に生きようとしない奴を助けてなんの意味がある?」
「それは‥‥」
「もういい。
俺はあの魔物が通行の邪魔だから倒すだけだ。
ここで死ぬか生きるかは自分で決めろ。」
と言い、俺は魔物に向かって行った。
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