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魔物の方へと行くと魔物はこちらに向かい威嚇をしていた。
俺は魔物に
「死にたくないなら林の中に戻れ、通行の邪魔だ。
こちらに向かって来るなら容赦しないぞ。」
と言ったが魔物は威嚇を止めずこちら向かい走り出した。
「そうか、なら」
と言い、俺は魔物に向かい刀を構えた。
俺に近付いた魔物を切り捨てようと刀を降り下ろそうとした時、
林の中にある影に気付き咄嗟に刀を返し峰で魔物を吹き飛ばした。
俺が倒れてる魔物に近付くと林の中から小さな影が俺の前に飛び出して来た。
それは小さな子供の魔物で俺と魔物の間に入り俺に向かい一生懸命に威嚇をしていた。
俺は魔物に
「もう一度言う、この子を連れて林の中に戻れ。
俺に向かってこないならお前を倒すつもりはない。
俺はお前達を倒しに来たんじゃない。
お前はこの子を死なせたくないのだろ?」
と言うと魔物はゆっくり立ち上がり子供を連れて林の中に戻って行った。
俺が魔物の親子が戻って行くのを見ていると
「なぜ魔物を倒さなかったの?
あの魔物は私の仲間を‥‥」
と女性が言ってきた。俺は女性の方を向き
「それはお前の理由だ。
俺の邪魔にならないなら、倒す必要はない。」
「それでも‥‥」
「勘違いするなよ。
俺はお前の為に戦った訳じゃない。
それに、お前達はあの魔物に襲われたと言っていたが、採集だからといって魔物がいる林の中に居て回りを警戒していなかったんだろ。
警戒していたのなら気付けたはずだ。」
「そ、それは‥‥」
「それに、あの魔物には真新しい傷がいくつもあった。
お前達はあの魔物と戦ったんだろう?」
「いきなり襲ってきたんだ当たり前だろ!」
と女性が言ってきたが俺は女性に
「戦った時点で倒されてもしょうがないんだよ!
戦いは負ければそこで終わりだ!
その覚悟がないなら戦うな!」
と言うと女性は唇を噛みしめ下を向いた。
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