王国で

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すると男の人が 「それはお前達の都合だ。 俺はソクさん達にお前達を助けてくれと頼まれた、だからお前達を連れて行く。 それに、あの魔物にすら勝てないお前が一人で残る? それは死にに行くようなものだ。 それで死んだら、お前の大切な奴とその妹はなんて思うかわからないのか?」 と言うと姉さんは 「それは‥‥」 と言い、黙ってしまった。 すると男の人が 「はっきり言ってやろうか? お前は、いやお前達は大切な人の為にと言い、ここへ来たのだろうが考えが甘過ぎる。 現にお前達は死にかけた。採集に夢中になり警戒を怠り魔物に襲われた。 そしてたまたま運よく死ななかった。 大方、次に気をつけてとでも考えていたんだろう。 だが、お前達は警戒を怠り今度はドラゴンに襲われた。 お前達は怪我をしている事考えていたのか?」 と言い、私達を見た。 私は 「け、警戒するのと、怪我がなんの関係があるのよ!」 と言うと姉さんは何かに気付いたように 「‥‥怪我をしていれば血が‥‥ そして、その匂いで魔物を引き寄せてしまう‥‥」 と言う言葉に男の人が 「その通りだ。 魔物が居る所では少しの油断が死を招く。 実力のないお前達なら尚更だ。 自分すら守れない奴が誰かを助ける? お前達は薬草を取りに来たんじゃない、ただ死にに来ただけだ!」 と言った。
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