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龍生は喉元まででかかった『ありえねぇ』を噛み殺し、右手を差し出した。
七夕が右手を差し出したからだ。
「よろしく」
顔を上げた龍生の半べそ顔を見た七夕が笑いながら龍生を茶化す。
「俺との同棲生活を泣く程喜んでくれるなんてっ
俺もぅ涙が出ちゃう
だって男の娘だもんっ☆」
それを聞いた龍生は言わずもがな『イラっ☆』、
七夕にぐりぐり攻撃(わからない人はググるのだ)をくらわせるのだ。
「んなわけあるか。調子乗りすぎなんだよ」
「痛いいひゃいいだだっ」
―俺わかったかもしれない。
どうやらあいつが言ってた俺の肩に憑いてるアレはアレ……
疫病神なんじゃないのか?―
そして数分と数秒後
「そういえば、2組の和泉っていう女子と難波っていう男子が
クラス全員の前でキスして、付き合うことになったらしいんだけど
それってもしかして龍生のこと?
違うよね?」
今度は龍生が七夕に質問攻めをされることになる。
今日できたばかりの彼女の件で。
illustration by 暁 天音さま
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