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入学式を終えたHRの教室。
先生がくるまでのぎこちない空間。
どこを見渡しても知らない顔だらけで、龍生は机に突っ伏していた。
―協調性0とか言うんじゃねぇぞ。
俺はシャイなだけだ―
すると上から龍生のフルネームを呼ぶ声が聞こえた。
「難波 龍生さん?」
龍生は顔を上げた。
―誰かなと―
そしたら
―なんてこったい
黒髪の美少女が俺を見つめニコニコ微笑んでいるではないか―
龍生は好印象を与えようと、同じく微笑みながら“何か用?”と聞こうとした。
しかし実際には「何かよ」までしか言えなかった。
―なぜかって?
いきなり俺はその美少女に唇を奪われたからだ―
そのおかげで「な、なNaNa、Yo」
龍生の言語機能は完全にクラッシュ。
ベタなラッパーみたいになってしまった。
―な、なんなのコレ。一体なに?何かのドッキリ?―
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