その後

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「────…ん、ゅ…」 ボヤけた視界が段々と覚醒してきて自分が置かれた状況を理解する。 真っ暗な、部屋。 俺の部屋じゃ、ない。 多分、ベッドに寝かされてる。 あ、あの後泣き疲れた俺は蒼の部屋に連れていかれて、そのまんま寝たんだった。 ここは、蒼の部屋のベッドか。 「…あ、お…?」 静まった暗い暗い部屋に俺の声が溶け込む。それに答えてくれる声はない。 横を見ると蒼が寝ていたであろうスペースが。触ってみるが温もりは、ない。 「…あお…?」 急に心細くなって蒼の名前をもう一度呼ぶ。しかし蒼の姿はどこにも見えない。 蒼、どこにいるの? 置いてかないで、俺を置いてかないで。 震える体を守るようにギュッと布団を抱き締めた。
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