可愛い、泣き虫。

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震える手で何とかケータイを見ると、俺が求めて止まなかった人物の名が表示されていた。 「────あ、お…っ」 『もしもし?涙?』 「…あ、お、こわ…怖い…っ」 『…涙?どうした、泣いてんのか?』 「…ふぇ、も、やだ…っ、助けて…」 『涙、今どこだ』 「…ぐすっ、せ、とかい、…しつ」 『ちょっと待ってろ』 そういって切られた蒼との電話。 やだ…っ、蒼…! 機械音が響くケータイに、不安がまた甦る。俺の、頼れる人、大好きな人、蒼。 一人になってしまった錯覚に陥る。いや、怖い、怖い、蒼…っ!
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