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タカシの留学が決まった時
のセージときたら……
「ボクもいく!おいていっち
ゃイヤだ!にぃさまといっし
ょがいい!!」
散々ゴネて泣いて、お付き
の者達だけではなく国のエラ
い人達にも迷惑をかけまくっ
た。
「許せ、セージ」
困り果てたタカシは、三日
三晩かけてウサギのヌイグル
ミを作ってセージに贈った。
「うさたん……」
お世辞にも上手いとは言え
ない作りで、耳の長さが左右
で違っていた。
それでもセージにとっては
兄が初めて手作りしたウサギ
が、何よりも貴重な物に思え
て大感激したのだ。
「ボク大丈夫!うさたんをに
ぃさまだと思ってがんばりま
す!」
かくして、タカシは無事に
旅立ったのだが――
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