皇子サマとウサギ。

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   「兄上、お帰りなさい!」   留学を終えて帰ってきたタ  カシをセージは笑顔全開で出  迎えた。  「……あぁ」  「兄上?」   また兄と暮らせると胸を躍  らせていたが、その期待は粉  々に打ち砕かれることとなる。  「兄上!なぜですか!?なぜ  騎士になんてなる必要が!?」   セージは必死になってタカ  シを止めた。  「許せ、セージ」   タカシはセージの頭を撫で  るだけで何も語らず、全ての  反対を押し切ってお城を出て  行った。  「兄上……」   セージは人知れずウサギを  涙に濡らして眠れない夜を過  ごした――
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