皇子サマといっしょ。

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   「わ、わかったから、もうい  いだろ」   恥ずかしさに耐えられなく  なったハルカが脱出をはかろ  うとするので、逃がすまいと  耳元に唇を寄せた――  「お前の好きな物より……お  前を好きになりたい」   ピタリとハルカは大人しく  なった。   不思議に思って顔を覗き込  むと、恨めしそうに上目で睨  まれる。  「……いまさらじゃん」  「言葉じゃ足りないってこと  か?」  「っ!?」  「お前が食べたい……の方が  良かったか?」  「さむっ!オヤジかよ!」   ツッコミとともにハルカに  逃げられた。   タカシは無口だ。  だが奥手というわけではない。   不器用で世間知らずの皇子  サマは、明日も甘い台詞を考  える……そりゃもう大真面目  に。   ――おしまい。
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