1章 始まりの鐘

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恐る恐るゆっくりと目を開ける。 電車は私の横を通っている。 何が起こっているのか全く分からない。 ただ一つ分かるのは――。 ……生きていること。 「君……けがはない?」 「――えっ?」 ふと見上げると見知らぬ音の顔があった。 わぁお……イケメンだぁー! って、思う反面ちょっと顔が近い気がする。 それに体が軽いのは……。 もっもしや!? ふと肩を見ればその男の手と思われるものが。 嫌な予感は的中。 そうです。 お姫様……抱っこぉ!?!? 女の子は一度ぐらい憧れるもの。 だけど、今はそんなこと考えている時間はない。 頭の中はぐるぐると早いスピードで回転する。 けど一向に考えがこんがらがる一方。 一体どうすればいいのかわからない。 あぁ!!叫びたい!! さっき叫べなかったぶん!!!
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