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そこらに投げてあった鞄を見つけ、すぐさま掴むと電車へと駆け込んだ。
外から見えないようにと車両を変え人目のつかない所で座る。
電車の中はがらがらなのに、ホームにはたくさんの人。
……なんか変なの。
ため息をついて目を閉じる。
そっと手首を触るが。
「っ!?痛った……」
覆面男のナイフがかすったのか、それとも落ちた時にできたのかかすり傷がある。
ぞくっと背中に何かが走った。
冷や汗も今ごろになってどっとでてくる。
フラッシュバックされる過去の記憶……。
あんなこと思いだすな!大丈夫!これは事故!
自分に何度も何度も言い聞かせ、心を落ち着かせる。
「はぁー……」
「あっこんな所にいた」
その声と共に体はピクリと反応し急に言うことを聞かなくなる。
もうなんなの今日は。
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