112人が本棚に入れています
本棚に追加
「奈々……?」
「あっ、ごめん。脱線したね!!帰ろっか」
友達からの反応がどう返ってくるかが、恐くて話しを逸らした。
レジで会計を済まし店の外へと出る。
もうとうの昔に太陽は沈み、月が顔を出している。
10時だけど、道路を走る車は多い。
「じゃあ、また明日ね」
「気をつけてね奈々!そっちの方面あんた一人なんだから」
「平気、平気!!みんなも気をつけてよ!!じゃね」
手を振りながらみんなと別れ、一人駅へと向かう。
残業終わりのサラリーマンがため息をつきながら歩いている。
だが、疲れてはいても家に帰れば温かい家族が待っている。
その当たり前の出来事が、私にとっては当たり前ではないからか、不思議と寂しさが少し込み上げる。
最初のコメントを投稿しよう!