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私の声が出ない分覆面男の叫び声が周りに響く。
「うぉおっらぁあああああああっっ!!」
響く声ね~覆面男。
でもカラオケ行けば私の方が声出るのよ??
男はそのまま走って来て、私にナイフを向けた。
体の中の何かがふわりと溶け、男を避ける。
勢いにのったまま男は私の横をすり抜けて走り去って行く。
助かった……と変なガッツポーズを決めた時だった。
何故か視界がぐらりと揺れる。
「ふぇ!?」
見えるのは、慌ただしく入ってくる人々。
こっちを見て悲鳴をあげる女性。
いったい何が起こってるのかさっぱり分からない。
ただ一つだけ分かったこと。
見える世界全てがスローモーションに見えること。
すると急に腰に痛みが走った。
「――いっ!!」
じんじんとくる痛みと共にじんわりと涙が出た。
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