永遠(トワ)に…

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その夜… 更夜はなかなか寝付く事ができなかった。 いつの間に 眠ってしまったのだろう… 頬に柔らかな日差しを感じて 更夜は目を覚ました。 部屋を出ると 隊士達が 慌ただしくしている。 近くにいた 隊士を捕まえると どうしたのか?と たずねる更夜。 弁天台場が政府軍に包囲されたと言う… 更夜は 不安にかられ 土方の姿を探す。 参謀室のドアを 勢いよく開けるが そこに土方の姿は無かった… 「更夜君…」 更夜の後ろから 大鳥が声をかけた。 「土方は?」 大鳥が 話すよりも先に更夜が口を開く 「更夜君… 土方君に話しは聞いている。 君は………」 「土方は?」 大鳥の言葉を 遮り 同じ質問を繰り返す 大鳥が 更夜に手を伸ばそうとした瞬間 更夜は《大和守秀国》を抜いた。 剣術を覚えた更夜に 土方が与えた刀… 更夜は今もそれを使っていた… 蒼く揺らめく切っ先が大鳥に向けられる。 更夜は 静かに大鳥を見つめていた。 否… 漆黒の瞳の奥には 揺るぎない意志が猛る… 似ている 大鳥は思う。 土方も更夜も 生きるのには余りにも不器用で 《死に場所》を探す土方も 土方の傍でしか《生きられない》更夜も 同じだと感じた。
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