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「それじゃ、僕達は行くね! 新ぱっつぁん、左之さんのおもりよろしく!」
そう言って笑うのは平助君。俺は子供じゃねぇ! と騒ぐ左之を、永倉さんが宥める。
私と平助君は屯所の門のところで、みんなと対面していた。
「桃、平助に何かされたらすぐに俺を呼ぶんだ」
「あはは! その言葉何回目ですか? 一様は心配性ですね!」
「俺は、桃が大事だからな」
一様が笑った……!! もう、めちゃくちゃかっこいい!
ポーッと一様の笑顔に見惚れていると、頭にズシリと重みを感じる。
振り返ると間近に総司様の顔があって、心臓がどきりと音を立てた。
「そそそそ総司様!? ち、近いです!!」
「橘、気を付けるんだよ。くれぐれも怪我とかしないように」
ポンポンと頭を叩いて、総司様がニコッと微笑む。なんだかいつもより優しい。
「ああ、そうだ。……お土産、よろしくね」
優しい理由はこれですか……。
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