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「何年って、文久三年だよ」
「ぶんきゅう…」
それが何時代の年号で、現代からみて何年前かなんて分からない
そんなことは分からないけど、一つのだけ言えることがある
「タイムスリップ…しちゃった?」
そこでようやく気づく
私の持つ刀が綺麗になっていた理由…それは、時を越えたことによるものなのだと
だけど、その理論でいうと、私は受精卵に戻るんじゃね?
いや、むしろ受精すらしていないはずだ
「…考えるのはやめよう。タイムスリップしてる時点で常識の範囲を越えてるし…」
一度は夢に見るよね、タイムスリップ…
しかし、私はタイムスリップするなら未来と過去のどっちがいい?という世に存在する質問の中で無意味さベスト10に入ると言える質問に、いつも未来と答えていた。よって、別にこのシチュエーションは何もおいしくなどない!そして、あの質問をする意味は何なんだろう…タイムスリップなんて出来もしない事…いや、実際に私はしちゃってるわけだけども、そんな事についての質問をして彼女らは、その情報を得て何の得があったのだろう…。いや、あれは別に情報を得たいわけではなく、ただ単にコミュニケーションを「ねぇ、何をブツブツ言ってるわけ?」
「ちょぉぉぉぉぉっ!?」
目の前にある刀の切先に驚いて後ずさる
「何してくれちゃってるんですか!っていうか、助けた直後に殺すって、上げて落とすの!?恋は命がけの駆け引きなの!?」
「恋?何の話をしているのか分からないけど、人が居るのに無視しないでよ」
目の前でニコニコしている彼は無邪気に刀を肩に担ぐ
恐いよぉ…
好きなタイプは危険な男、とか言ってる子に全力で異論を唱えたい
ダメ、ぜったい…
「君に色々と聞きたいことがあるんだよね」
「甘いものが好きです。好きな色は青色で、嫌いなものは基本的にないんですけど、強いて言うなら雷は嫌いですね。実は昔、雷が近所に「少し黙ろうか」
「ひぃぃっ!!」
黙るから!!
黙るから、刀を下ろして!!
永久に黙らせようとするのやめて!!!
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