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次の日、私は暇な時間を見計らって、庭で洗濯をしていた
ムシムシじめじめした中、大きな盥の前にしゃがみ込んで、洗濯物を洗う
こういう時、洗濯機があれば突っ込んでボタン一つで終了なのにって、うんざりする
そういえば、土方さんに洗濯機のことを教えてあげたら「楽ばっかしてっから、そんなに貧弱なんだ」と言われたっけ…
まぁ、確かに、未来人の私の腕力など貧弱でしかなくて、水を汲み上げるのすら一苦労だったりする
滑車の紐にぶら下がるようにして全体重をかけて汲み上げているのが現状だ
そして、新選組には一応、補助という形で数人の女中さんが在籍してはいるが貧乏なため、ほとんど自分達で家事をこなしている
ちなみに、家事は隊ごとにローテーションで回ってくるのだが、私は小姓という役職のせいなのか、時々洗濯を頼まれるのだ
先生に頼まれてる物もあるし、ついでだから別に良い
洗濯するのは全然良いんだよ?
だけど、嫌なことが一つだけある
それは……
「不器用やなぁ、全然汚れが落ちとらんわ」
「……………」
「あぁ、見てられんわ。もっと力を入れて「じゃあ、見るな!!そして、そこまで言うならお前がやれ!」
タライを覗き込んでいた為三郎に向かって、洗濯していた手拭いを投げつける
そう、何故か私が庭で洗濯していると毎回どこからともなく為三郎がやって来てケチをつけるのだ
為三郎は私が投げつけた手拭いをひらりと避けた
力なく地面に落ちる手拭い
濡れた手拭いに地面の土が付着して、ぐちょぐちょである
「って、なんて事してくれんだ餓鬼三郎!!」
「阿保か!うちは何もしとらん!」
何もしてないだと!?
毎回やって来ては、ぐちぐちぐちぐち文句言いやがって!
精神的苦痛なんですけど!!
業務執行妨害だ!!
ぐぬぬぬ、と怒りを抑えながら睨みつけるけど、為三郎は全く何も感じていないのか、怯えずに睨み返してくる
「…………」
だめだ落ち着くんだ、朝月楓
私は大人なんだから、こんな餓鬼にムキになるなど恥ずかしいぞ?
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