4人が本棚に入れています
本棚に追加
-絶対にあの寺に行くよ
私の手のひらから彼の手が離れて自分の刀に手をかける。
-僕は以外と強いんだよ?
大好きな笑顔を向ける彼の目に映る私の顔は、涙と雨で濡れ汚かった。
-だから安心して逃げて。
彼の足は震えていた。
-必ずあの寺で会おう。必ずだ…!
彼の肩は震えていた。
-大好きだよ、里由
あの日の夜は私の新しい人生の始まりであり、自分の力の無力を知る夜だった。
→→→
最初のコメントを投稿しよう!