22才

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勇気を出して、窓を開ける。 窓を開けるかどうか、そんなことで一時間もの時間を無駄にした自分に腹がたつ。 そもそもいくら時間を無駄にしたって同じ毎日の繰り返しなのだから、腹をたてる時間さえも無駄に終わるのだけれど。 明日にはすべてがどうでも良いことで、つまり私が呼吸していることも本当はどうでも良いことなのだろう。 すぐにそんな極端な考えにいたる私に、私はまた腹をたてた。 それでも私は呼吸をやめようとはしない。それは怖いから…? 私は何をそんなに恐れているのだろう。 時刻は夕方。開けた窓の網戸越しに、湿った生暖かい風が部屋に充満するのがわかった。 外の世界とこの部屋を結ぼうとする風になんとなく居心地が悪くなり、空のワインのビンをベランダのゴミ袋に放り込むとすぐに窓をしめる。 自分だけの世界が侵された気がして気分が悪くなる。 死ね、とつぶやいてみたけれど誰に対して言っているのかすらわからない。 丁寧にカーテンをしめ、何度もカーテンに隙間がないか確認をして、呼吸を整える。 自分の力では正常に呼吸することが儘ならないことを悟り、薬を掴んでキッチンに向かう。 安定剤を適当な数取りだし、かみくだく。 苦くて甘い味が口の中に広がり、私は私を取り戻す。 再び訪れる静寂、カーテンの外には私の敵しかいない。 死ね。今度は自分に向かって呟く。 私はどこで中二病をこじらせたのだろう。 そもそもなぜ、あんなに禁止されても酒を飲んでしまうのだろう。 (あぁ、暇だったからか…) 私は考えていることがいつも無駄だ。 カーテンの外に敵などいないし、私は臆病なので決して死なない。
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